保存修復

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RESTAURO CONSERVATIVO
(保存修復


絵画を構成する構造ー基底材(支持体)、地塗り層、絵画絵具層に生じた構造的な問題に対する修復処置の実技とセオリーを学びます。実際の処置と行程は、絵画の保存状態と損傷状態により異なるため、作品各々に適切修復処置が必要になります。カリキュラムでは実際の作品を各学生が、グループもしくは個人で担当し修復することで修復処置の一連の流れを学習します。
・作品の状態調査と解釈

・修復方針とドキュメント作成

・作品に対する事前保護処置

・作品の変型修正

・地塗り層、絵具層接着強化

・支持体補強、裏打ち

・修復マテリアルとセオリー


修復処置を実施するにあたって、修復技術者に必要とされる能力には様々なものが挙げられますが

・絵画を構成するマテリアルとその技法への知識
・作品の損傷状態を把握し、必要な処置の選択とその実施に必要な実技能力、
・修復マテリアル に対する広範な知識などが必要とされます。

状況に応じた適切な処置方針の確立と倫理と理論を踏まえた実技能力を、実際の作品に対する処置を通 して学習します。

本校では、実技を伴う絵画修復の研究をRESTAURO CONSERVATIVO(保存修復)とRESTAURO ESTETICO(美観修復)の2つのセクションにわけることによって、各々の内容を深く学習できるようにカリキュラムが設定されています。 実際の修復作業行程ではこの2つ作業は一連のものであり、一般的に工房では一貫した作業として行われていますが、校内の研究工房では各々のセクションのエキスパートが別 々に指導にあたっています。 これは20年以上の教育経験から生み出されたスピネッリ本校の独自のメソードにならい、各セクションでの授業の並行実施により、実際の授業では CONSERVATIVO の行程が終了した作品を ESTETICO の授業に引き継ぐかたちで行ない、学生の各自担当作品の修復行程のトータルな把握を目的としたカリキュラムです。セクション分けにより、学生の履修期間内に処置が終了できない大きな作品や処置に膨大な時間を要する作品に於いても部分的な各自の担当作業を全体の行程を踏まえた上での認識を得ることができます。




講師:醍醐 亜砂美

●1学年次
事前に絵画の実技経験のない学生に対して絵画の構造的理解を促すため、画材に慣れることから始め、油絵を構成するマテリアルの性質と技法等を把握します。実際の作品から、その保存状態、損傷状態の事前調査を行ない、作品に対する修復処置の方針の決定と報告書の作成からはじめ、作品に応じた修復処置の各工程の実技とセオリーを学習していきます。

●2学年次以降
引き続き各自の担当作品の修復実技とセオリーの実践的な学習を行ないます。


・絵画を構成するマテリアルの理解

・基底材-木枠・キャンバス

・作品事前調査、修復報告書の作成

・サンプルを用いた修復実技

・作品に対する修復実技

・修復に使用するマテリアルの理解

・修復機材の使用方法



●カリキュラム内容は若干変更を伴う場合があります。

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