絵画技術

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絵画修復の学習をスムーズに進めるためには、絵画(板絵を含む)の構造を確実に理解している必要があります。 第1学年・2学年を通して模写を中心としたイタリア古典絵画技術の実技能力およびそのセオリーを習得し、絵画技術の構造を理解する目的のカリキュラムです。
チェンニーノ・チェンニーニの「芸術の書」を基にしたテンペラ画の制作。 「芸術の書」の一部原書解説。イタリア語の技法書の読解、技術用語の解説

・テンペラグラッサ Tempera grassa

・金箔技術 Doratura

・卵テンペラ(黄金背景)Tempera all'uovo

・油彩画 Pittura a olio



講師:布野暁子

2学年次に、イタリア古典絵画技法を習得します。様々な技法を模写 の実技により学び、絵画の構造への理解を深めます。
● テンペラグラッサ Tempera grassa

15世紀以降を中心として発展したエマルジョンテンペラの技法を小さな模写 から学習します。 テンペラと油彩画の過渡期に位置する絵画技術からはじめ絵画の構造的な理解を促し、ハッチングによる筆致の習得は、selezione cromatica, Astrazione cromatica などの補彩技術を会得しセオリーを理解することにも役立ちます。


・基底材準備:木材の加工、前膠処置・布着せ

・石膏と膠による平滑な石膏下地の処置

・色材準備:展色材と顔料の調合、絵具の準備の方法

・描画:下書きデッサンの転写、実際の描画方法


● 金箔技術 Doratura

イタリアの金箔技術各種をテストピース等を用いて行ないます。 比較的扱いやすい偽金箔(Oro falso)や銀箔から始め、黄金背景の卵テンペラでは純金箔を用いた処置を学習します。

・基底材準備

・boloを用いた水性箔押し技術(Doratura a guazzo)

・ 瑪瑙による磨きと艶出し(Brunitura)

・刻印、装飾技術

・ミッショーネ(Doratura a Missione)による油性箔押し技術


● 卵テンペラ(黄金背景)Tempera all' uovo

授業ではboloを用いた鍍金技術による黄金背景(fondo oro)のテンペラ画の模写 を行ないます。水性のテンペラ画の技法と金箔技術の両方を同時に学びます。

・基底材準備:

・下地準備:

・デッサン転写:

・Bolo による下地処理:

・Doratura*

・卵テンペラ展色材準備:

・ 描画


● 油彩画 Pittura a olio

15世紀以降の木材による基底材の油彩画技法を模写を通じて学習します。油彩 用の石膏下地の処置から、描画用絵具、ワニスの調合を行ない、 有色下地の調整からグレーズ技法による彩 色方法による描画、ワニスがけの実技を通じて油彩画技術の学習を行ない、同時に実際の絵画の構造的理解を促します。

・基底材準備:

・ 展色材、ワニス準備

・デッサン転写

・描画


●輪郭線のみによる模写デッサン:絵画修復科 2003年度生



●油彩画模写:Raffaello Santi "la Muta" (par)
●油彩画模写:J.D.Ingres"La Grande Odalisque" (par)

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●カリキュラム内容は若干変更を伴う場合があります。

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