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フィレンツェ修復の都  ワークショップ

●修復士 マッシモ・セローニによる美観修復の提案●
〜 「キリスト磔刑図』エミリア・ロマーニャ派18世紀後半の修復〜

マッシモ・セローニ マッシモ・セローニ
マッシモ・セローニ マッシモ・セローニ

 ワークショップのみどころ

 絵画修復は、RESTAURO CONSERVATIVO(保存修復)と RESTAURO ESTETICO(美観修復)の2つの行程に分類されています。保存修復は、絵の具層を支えている構造、つまり支持体(地塗り層、キャンバス等)の破損を修復したり、劣化している部分を強化します。つまり支持体に、もう一度、絵の具層を支えることができるだけの強度を与える作業です。 一方の美観修復は、保存修復を終えた作品の絵具層に施す一連の修復作業を指しています。この作業の目的は、絵の欠損部分に充填・補彩(色を入れること)を施すことによって、欠落が鑑賞者の妨げにならないように絵画全体に統一感を与えることにあります。
  イタリアでは、様々な美術史家(修復理論家)が欠損部分の補彩について倫理面から様々な技法が提示されました。フィレンツェ修復の都 -ワークショップ では、これらの補彩技法の特徴を紹介するとともに「キリスト磔刑図」の美観修復には、どの技法が適しているのかを検討した後、セローニが補彩の実演を行います。また修復作業の中で最も難しいとされるクリーニング(洗浄)作業もご覧いただく予定です。
 「キリスト磔刑図」は、18世紀後半にイタリアのエミリア・ロマーニャ州で描かれた作者不祥の作品です。ワークショップ以前に作品調査、保存修復を終えた状態で会場に運ばれるので、これらの行程を理解していただくために、会場では<修復のための調査写真と記録 >と<保存修復の記録映像>が公開されます。同時に作品をより「広い視点で見る」という目的で、クラウディオ・パオリーニ が<歴史的>、カルロ・ラッリが<科学的>な観点から考察します。3つの視点がどのように融合されて修復が行われるのかという過程をどうぞご覧ください。

 

展示1 修復のための調査写真と記録
エミリア・ロマーニャ派「磔刑図』18世紀 有色紫外線写真 有色赤外線写真
有色紫外線写真
有色赤外線写真
赤外線写真
斜光写真
赤外線写真
斜光写真
エミリア・ロマーニャ派「磔刑図』18世紀  cm 258.5×161.5 油彩 キャンバス


展示2 保存修復の記録映像
保存修復 保存修復
保存修復 保存修復

 現在キリスト磔刑図は、齋藤敦、上野淑美(修復士)の指導下、保存修復が進められています。記録映像はキャンバスの表打ち、ストレッチ、裂け目の補修などです。5月中旬ガブリエッラ・フォルクッチによる裏打ちが予定されています。(関連イベント→


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