実際、たとえ<ニュートラルな>画面であっても、作品の一体性とのコントラストがついてしまうことが非常に多いのですが、これは、原画にそれが<侵入>してきて、鑑賞のさまたげとなるためです。
こうした問題を解決するために生まれたのが、いわゆる<リガティーノ(縞目)>という新しい統合の技法です。 この技法は、ブランディがローマで発展させたもので、原画において用いられた技法とは異なる絵画技法を用いることによって、欠落箇所を再現させるというものです。
その後、この修復技法につづく形で、フィレンツェでは、<アストラツィオーネ(抽象)>と<セレツィオーネ(選別)>と呼ばれる二つの技法が登場しました。
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マッシモ・セローニ
Nardini - Firenze
Centro Di - Firenze
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