アレクサンドリア国立図書館の再興計画は、ジョージ・アマドによって「今世紀中で最も重要な文化事業」と定義付けられた。事実、今日までに3500億リラが費やされた。ユネスコの出資基盤を得て、歴史ある図書館を甦らせる巨大プロジェクトが、エジプト(アラブ共和国)の国をあげての一大事業として始動したのである。アジア、アフリカ、ヨーロッパの三大陸の分岐点に立つエジプトは、西洋文明の発祥の地であった。特に古代アレキサンドリアは、歴史上名高い文書館を擁し、重要な役割を果 たした。残念ながら、当時の文書館は火災によって焼失してしまったが、設立から2295年の時を経て、世界の文化の記念の地はその息を吹き返そうとしている.........。

アレクサンドリア国立図書館の新たな施設は、ノルウェーの「グループ Snohetta」によって設計された。地上部は高さわずか33m、直径160mの建造物である。一方、地下部分では、10フロアに渡り、アレクサンドリア市立美術館、カリグラフィー美術館、そして国立図書館の中心施設の準備が着々と進行されている。地中海民族の知識の結集する場所として、国立図書館がその姿を我々の前に現わす日も近い。 国際的な協力により収集された40万冊の蔵書を抱えて、国立図書館は新しい門出を迎える。(近年中に、800万冊を所蔵するのが目標である。)英国博物館からは、「ロゼッタ・ストーン」のコピー、コルドバ・アラブ言語アカデミーからは、2000冊に及ぶ所蔵文献と、アラブ語本のマイクロフィルムによる完全コレクションが寄贈される。フランスは、3900万ユーロの通 信設備を設置し、ドイツは書籍の自動運搬装置を提供した。  

では、イタリアは?

イタリアからは、トリノのエジプト博物館が「死者の書」の複製を寄贈するほか、最も意義ある貢献が、図書館内部の修復工房の実現と保存部門のオペレーターの養成を目指して、具現化された。 再興計画のこの部所の管理顧問として、ユネスコはフィレンツェのパラッツオ・スピネッリ修復芸術学院を指名した。パラッツオ・スピネッリは、修復・保存の分野において20年余の経験を有し、当該分野の技術者の養成機関として、諸外国でも群を抜いた評価を得ている。  学院長のアンドレ-ア・パピ教授が、修復計画とオペレーターの養成活動の双方において、調整役を担当している。



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