Kermes No.36 1999 sep-dec
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聖スピリト教会<セーニ礼拝堂>
La Cappella Segni
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1999年9月24日フィレンツェの聖スピリト教会<セーニ礼拝堂>の祭壇画の修復が公開された。修復監督は、フィレンツェ文化財監督局ステーファノ・フランコリーニとファエンツァ市の事業責任者リーサ・ヴェネロージ・ペッショリーニである。
祭壇画とは、1505年にラファエッリーノ・デル・ガルボによって描かれた「玉座の聖母子と聖人たち、洗礼者ヨハネ、ロレンツォ、ステーファノとベルナルド」である。絵の額縁は、14世紀末期の祭壇装飾師(で聖スピリト教会の施物分配僧)のドメニコ・デル・マッツィエーレ家のドンニーノとアニョーロ兄弟が彫り、彩色を施し、金箔を貼り、最終的にその場所に設置した。
この画は、教会のオリジナルのコレクションとして、ラファエッリーノが聖スピリト教会に奉納した一連の絵のなかで、唯一現存している貴重なものである。
絵の状態は、度重なるオーバーペインティングで画面一面が覆われ、全く絵が霞んでしまっていたが、今回、現代の最新修復技術で、芸術作品本来の姿を確認することができ、また、新たに高い芸術性を再発見することができた。中でも、特筆されるべき事柄は、聖ベルナルドの横にいる悪魔が、絵の制作当時ラファエッリーノ工房にいたアンドレア・デル・サルトによるものであることが、ほぼ明らかになったことである。
この修復は、WMFイタリア委員会が、全面資金援助をしている。
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ラファエッリーノ・デル・ガルボ
「玉座の聖母子と聖人たち」
(聖スピリト教会 フィレンツェ)
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イソーニェ城とその噴水
Il Castello diIssogne e la sua fontana
アオスタ峡谷に在るイソーニェ城内のメログラーノ噴水の研究調査が終了した。 鍛鉄でできたこの中世の噴水は、成り立ち、素材の状態を確か目るため念入りな試験がくり返されていた。現在は、修復をするという前提で、解体されるべきか検討中だ。
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聖パオロ・フオーリ・レ・ムーラ教会の聖なる扉
La Porta Santa di S.Paolo fuori le mura
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1966年の前回の修復から30年経って、あらたに聖パオロ・フオーリ・レ・ムーラ教会のビザンチン様式の<扉>の修復作業が行われる。
カトリック大赦の最も古い扉であり、ブロンズで鋳造され、銀で装飾が施されている。1070年にコンスタンチノープルで創られ、構造的には、54枚のレリーフ付き薄板が合されている。
東方の都(コンスタンチノープル)では、50年の間にこれと似た扉が8つ創られた。これは、アマルフィの聖パオロ・ダ・パンタレオーネにに奉納されており、描かれている図柄は、後にグレゴリオ7世となるイルデブランド・ディ・サヴォーナの意思が反映されたものである。
扉に刻まれている、ラテン語、ギリシャ語、シリア語は、当時の時事について語られている。1832年の火事では、壊滅的な被害を被り、<聖なる扉>の不幸な出来事として記録された。
今回修復されることになった理由は、扉の腐食が進行していることと、全体的に黒ずんできていること。つまり、扉の薄板および装飾リブの耐久性に疑問が投げかけられているからである。
大聖年の4つの<聖なる扉>の一つであるこの扉は、2000年1月18日には、厳粛な儀式のうち教皇によって開かれる。
この修復は、WMFイタリア委員会が資金提供し、セルジョ・アンジェルッチの指揮下で行われる。
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聖パオロ・フオーリ・レ・ムーラ教会
ビザンチン様式の<扉> (部分)
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