Kermes No.36 1999 sep-dec
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カラヴァッジョ作「巡礼者の聖母」まもなく修復
La"Madonna dei Pellegrini" del Caravaggio
pronta per il restauro
アンナ・マリーア・ペドロッキの監修の下、カラヴァッジョの「巡礼者の聖母」の修復が始まろうとしている。X線、UV線、IR線、XRF等での一連の非破壊基礎調査が終了し、修復家のヴァレリア・メルリーニ、ダニエラ・ストルティ
と作業場管理最高責任者のバルバラ・ダミアーニは、珠玉の名画の修復に取り掛かろうとしている。 |
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カラヴァッジョ作「巡礼者の聖母」 |
ヴェナリア王宮の保存
La conservazione della reggia di Venaria
サヴォイア家のカルロ・エマヌエーレが、ヴェルサイユ宮殿に対抗する建造物を要求し、そのピエモンテの<解答>が、このマストドンのごとき巨大なヴェナリア王宮である。 |
完成に向かうヤコポ・デッラ・クエルチャ作
「ガイアの泉」の修復
La Fonte Gaia della Jacopo della Quercia: un restauro
in fieri
フィレンツェ輝石修復研究所が、シエーナにあるヤコポ・デッラ・クエルチャ作「ガイアの泉」の*オリジナル作品の修復作業を<受胎>させてから10年目を迎える。(*1869年からは、シエーナでは、コピーが設置されていた。)この修復では、幾つもの意味深い結果が浮上した。
修復作業所は、サンタ・マリア・デッラ・スカーラ(階段の聖母)教会に設置されていた。(そこで最終的に修復の仕上げ作業が行われるようになったが)そこでは、輝石修復研究所によって修復された噴水の部分デコレーションと1859年にパラッツオ・プッブリコ(公の宮殿)にマテリアルが移動された時にティート・サロッキによって造られたコピーが同時に展示されていて、魅力的な公開の仕方になっていた。オリジナル作品を手本にし、様々な時代に造られた複製、鋳型、エスキースも、いうまでもなく興味深い。 このように学術的に作品を公開できたのは、サンタ・マリア・デッラ・スカーラ協会と文化財監督局-歴史芸術監督局(BAS)と建築環境遺産監督局(BAA)、およびボローニャ大学のマッシモ・フェレッティ教授の見事な監修の賜である。 |
色彩豊かなケレス神殿
Cerere a colori
考古学博物館のこけら落としにパエストゥムでは、<ケレス神殿>と呼ばれる神殿の修復が紹介された。1996年に始まったこの修復作業の目的は、スタッコの細部を復元することと、もともと在った神殿の色彩を甦らすことであった。 赤やブルーの色彩の欠片が、円柱の柱環に刻まれているヤシの葉の装飾から見つかった。 苔類や長年の汚れをクリーニングされたトラバーチンは、輝きを取り戻した。 |
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ケレス神殿(パエストゥム)
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注意深いクリーニング作業を施せば、石は絶対といって良い程、ポジティブな結果を齎してくれる。また細部の決め細やかな充填作業は、水の侵入を防いでくれる。 |
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