Kermes No.36 1999 sep-dec

 

28人の歴史的人物彫像修復
28 Uomini illustri in restauro


 

 シンプルなデコレーションが施されていたウフィツイ美術館アーケードの石柱の飾り穴の装飾は、前世紀、パンパローニ、デュプレ、フェーディなど様々な彫刻家によって刻まれた28人の“トスカーナの偉人像”に変貌した。(このアイディアは、すでにコジモ1世によって提案されていたが......。)
 今、これらの28の彫像たちの修復が始まろうとしている。スターホテルズの支援を受け、<フィレンツェSBAS(フィレンツェとプラートおよびピストイア芸術作品・歴史文化財管理局)>の指導の下、12の修復工房に依託されることになった。各々の工房には、<OPD(輝石修復研究所)>より正指導官が派遣される。
 修復方法は、明らかに各々の彫刻の保存状況により異なるが、ほぼ共通してpreconsolidamento(補強予備処置)が施される。これは、表面の汚物除去、付着物除去などのクリーニング作業と大気汚染から護るための表層部強化作業等を指している。また、いうまでもなくひび割れた部分には、充填作業が行われている。修復終了までには、1年が見込まれているということだ。

ダンテ・アリギエーリ像 ウフィツイ美術館広場 photo:E.Demi




ピサの斜塔 オンライン
Torre di Pisa on -line


 

 ベル・パエーゼ(イタリア)で最も高名な建造物の一つである「ピサの斜塔」のシチュエーションを気にかけない人はいないだろう。「ちゃんと建っているのか?」とか「どんな状態なの?」とか..若しくは、念入りな写真調査記録を求める方がいらっしゃるかもしれない。そういう方々のために、最近創られたこのサイトは、かなり<イケテいる>に違いない。

  http://torre.duomo.pisa.it/ は、まるごとピサの斜塔に捧げられたサイトである。これは、斜塔監視調整委員会の監修の下、ピサ高等学校、文化財インフォメーション・リサーチセンターが制作しており、いまや、この不安定な傑作(ピサの斜塔)に関する、あらゆるインフォメーションリサーチの不可欠な基準点になっている。

 


“ジュリア”の帰還
Il ritorno di Julia


 1986年に発見され、15メートルの水底より引き上げられるのに13年も待ち続けた。ガルド近郊で、ローマ時代の船“ジュリア・フェリックス号”が創られたのは紀元3世紀頃、そして今、ある博物館に設置場所が設けられている。調査には、情熱に満ちた考古学共同作業班ダイバーズチームが組まれた。船に対して、綿密な調査・研究が行われ、やっとのことで、船全体を水中から引き上げる方法が考案されたのである。ここで使われるのは、ある種の調整用カバーであり、木に影響を与えることなく、修復まで持ち込めるようになった。



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