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La biologia nel restauro

 


「修復のための生物学」

<著者>
G. カネーヴァ、 M.P ヌガーリ, O. サルヴァドーリ

  この著は、芸術保存に適用された生物学において、世界的な規模で分析を試みた最初の作品である。実際、しかし、これらのような科学現象の研究結果(イタリアでは特に進んだ分野だが)が、技術-科学的専門用語の山に埋もれて科学専門分野以外の人には、理解するのが困難になっているのが現状でる。従って、この分野の一番基礎的な情報を易しく解りやすい言葉で、広く一般に伝えることが重要であった。そこで、この著の目的の1つとして、歴史・芸術遺産、考古学文化財の保存に関わるコンサバターが、修復に応用された科学の分野を理解・補充できるように方向性が定められた。
 
<作品の損傷の原因を正確に調査した上で得られる科学資料は、修復が行われる場合、より最善の方法を決定するためにどのように考慮されなければならないか>を先ず、この書の序文は述べている。続く章では、大気の要因や公害によって引き起こされる劣化、自然生物学的に起ってしまう損傷のメカニズムを解説した上で、最後に、紙や木等についた最近や害虫、石材に生えた地衣類、藻類、植物等など、芸術作品を構成する材質におよぼす生物学的な損傷が列挙されており、これらの要因を排除する処置法を記している。
  G. カネーヴァ、 M.P ヌガーリ, O. サルヴァドーリは、中央修復研究所(ローマ)とヴェネツィア文化財保護局(監督局)で、芸術作品におこる生物学的現象について研究を重ねたその分野の第1人者たちである。

Copyright(c)1981  1981初版 1996年第5版