学長あいさつ 学院の活動 アクセス 修復記録 修復家列伝 リンク集
インデックス パラッツオ・スピネッリ芸術修復学院 コース案内 エキシビション 出版案内

ランビエンテ修復芸術学院 Istituto per il restauro "L'ambiente" 
徳川家収蔵作品 徳川家正公御肖像 修復報告書 

 


作品はガラス入りの額に入った状態で到着した。 全体が埃に覆われ、額に入っていたガラスは全面 に白カビが目立ち、図像の詳細の確認は難しい状況だった。作品の額縁の木の構造部分は劣化し、表面 左の外側に大きな装飾部分が欠けており、この部分は金箔の剥落も顕著だった。額裏面 右上辺には水染みが確認され、作品及額は埃と湿気の多い場所に画面 から見て左辺を下にして保存されていたものと思われる。

作品

作品は釘で額に固定されており、作品裏面の木枠部分には保護のためと思われるクラフト紙が貼られていた。

木枠

木枠はオリジナルと思われ、中桟がなく、可動型で楔を伴っていた。
裏面木枠上辺に
Mr.Nathan c/o Swiss Studio

の書き込みと同下辺中央に

S.A.PARKER LTD 
Frame Makers and Art Dealers
219 GEORGE STREET 
(Near Circular Quay)SYDNEY

と書かれた赤いラベルが確認された。
写真2. 処置前/全図通常光撮影  

支持体

支持体は工業キャンバスであり、目のつまった縦横ともに二重糸で平織の麻布であった。


地塗り層


白色で薄く艶はなく1層のみ施されたものと思われ、油性の可能性が高い。


絵具層


絵の具層は全体的に均一で薄いが部分的に袖口、襟元、額に若干の絵の具の厚みと筆致が見える。人物像顔、袖、手に絵具層と一致しないマチエルが見られ、画家自身による修整の跡と思われる。


ニス層


絵の具層の上にはメディウムに茶色の顔料を混ぜたグレーズおよび天然と思われるニスが、不均一にかけられているが図像の肩や背広の襟を強調するようにニスがかけられていることから、画家が効果 としてこのようにニスがけを行ったものと思われる。

写真3. 処置前/裏面全図通 常光撮影  

p.12
裏面部分撮影

左:写真4. 修復前裏面部分撮影−木枠上の書き込み
上:写真5. 修復前裏面部分撮影−木枠上ラベル
 
>
>
 

Copyright (c) 2005 Tokugawa Memorial Foundation. All Rights Reserved.
Never reproduce or republicate without written permission.

当ホームページ 徳川家所蔵作品修復報告書は 財団法人
徳川記念財団 より許可を得て掲載しております。
すべての内容は徳川記念財団が有する著作権により保護を受けています。
掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。