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ランビエンテ修復芸術学院 Istituto per il restauro "L'ambiente" 
徳川家収蔵作品 公爵徳川家達様御肖像 修復報告書 

 
写真4. 処置前/全図斜光線撮影

 
写 真5. 処置前
/部分通常光撮影
  写真6. 処置前
/部分斜光線撮影
木枠

 木枠はオリジナルと思われ、中桟一本の日の字型の可動型で、四隅と中桟両端の計6箇所に楔穴が有り、各楔穴には楔を伴っていた。中桟の長さが親木短手よりも5mm程長いため、親木の接合部に若干隙間が空いている。  

支持体

画布は工業キャンバスであり、縦糸13本/cm、横糸11本/cmの目のつまった平織の綿混麻布を木枠側辺に釘止めされていた。  

地塗り層

白色でとても薄く艶はなく1層のみ施されたものと思われ、支持体裏面 にも絵具の一部が染み出していること〈資料 2〉や調査の結果 、水溶性と思われる。画面左辺側の支持体耳には地塗り層が無く、画面 左辺側の地塗り層の厚さが極めて薄い。但し他の支持体耳には地塗りが端まで塗られ釘止めされているため、地塗り層は木枠に張り込まれる前に支持体に施されたと思われる。    

絵具層

油性で全体的に均一で薄いが (写真 8)、部分的に眼鏡、襟元、耳、人物右側の本 (写真 7)、ネクタイピン、バッジに若干の絵具の厚みと筆致が見える。耳の周囲に背景と一致しない色が見られ、艶も無いことから、画家自身による修整の跡と思われる。また襟の付近及び背景の一部にも同様の色が見える。

ニス層

 絵具層の上にはメディウムに茶色の顔料を混ぜたグレーズおよび天然と思われるニスが、全体的に薄く不均一にかけられている。更に人物右手や背広の肩から手首にかけて、顔、人物背広左側襟付近、背景の一部にニスが厚くかかっていることから、画家が効果 としてこのようにニスがけを行ったものと思われる。絵具層の上にはメディウムに茶色の顔料を混ぜたグレーズおよび天然と思われるニスが、全体的に薄く不均一にかけられている。更に人物右手や背広の肩から手首にかけて、顔、人物背広左側襟付近、背景の一部にニスが厚くかかっていることから、画家が効果 としてこのようにニスがけを行ったものと思われる。 (写 真 9)

   
写真7. 処置前 /部分マクロ撮影
書物部に観察できる透明色と白色の混色による効果
(インパスト部分)
写真8. 処置前 /部分マクロ撮影
全体的に観察できる薄塗りの部分
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