講演1:Tecniche cromatiche
イタリアの補彩技術による油彩画の修復1

エミリア派磔刑図の補彩プロジェクト

ガブリエッラ・フォルクッチ(文化財修復家)

La reintegrazione pittorica di "Crocifissione' Anonimo della fine dell'Ottocento romagnolo

crocifiximage  

当校がこのエミリア派の磔刑図を手がけるようになって、早7年の月日が流れた。これまで多くの修復家と学生に修復に携わっていただいた。
絵画はようやく一連の保存修復作業と洗浄を終えて、美観的な修復を開始する。補彩に臨む作品のサイズは縦2m60cm近く、欠損部は著しく広い。特に湿気にさらされたと思われる最下部はほとんどの絵具が剥落している。

 イタリアでは美観修復に関して実に多くの論文が発表され、議論がなされてきた。最近日本語に翻訳されたチェーザレ・ブランディの名著「修復理論」、フィレンツェ水害後の中心的指導者の一人であったウンベルト・バルディーニの「方法論体系」、オルネッラ・カザッツァの「補彩」は、修復家のバイブル的存在であり補彩を語る上ですべてのリファレンスとなる。これらの名著が紹介する作品のオリジナル性の尊重と多様な補彩のテクニックは、美観修復の基礎倫理かつ理論として数々の名画の修復に応用されてきた。当校では、この理論を実践するためにフィレンツェの著名な修復家達を招聘し、10年以上イタリアの補彩の研究と教育に取り組んだ。
  

     
今回当学院にて扱うような面積の大きい欠損の補彩は、1mm四方の剥落を補彩するように進めるわけにはいかない。補彩においても「プロジェクト」が必要である。絵画修復科では、2007年5月より、ガブリエッラ・フォルクッチの指導下、Selezione Cromatica (色彩選別法)をベースに、イノベーションし続ける理論と現場での補彩法の選択という二極の狭間で作業に取り組む。講演会では、2週間の特別授業で行なわれた補彩プロジェクトの最初の行程を報告する。

 

講演2:ユーザーの視点で最近の分析技術を紹介

使ってみたくなる分析

福永 香
(独立行政法人 情報通信研究機構 電磁波計測研究センター主任研究員 )

dielectric-freq
 
分析には,試薬などを用いて未知の物質と反応させたり,気体や液体を吸着剤を通した時に物質ごとに吸着時間が異なることを利用して分離するクロマトグラフといった,化学の分野で長い歴史を持つ方法と,電磁波や電子のエネルギーを与えて物質の応答を見る物理的な方法があります。その中でも一度測定したら,もう二度と同じ測定ができない破壊分析(文化財の場合はサンプリングという行為そのものが一種の破壊ですので,
その後何度測定ができても破壊分析といえます。),何度でも測定可能な非破壊分析があります。電子や電磁波を用いた測定は,それらの持つエネルギーによって,有機物が得意,無機物しかわからない等の特徴があります。分析技術は多種多様で,その開発スピードはまさに日々刻々です。分析の専門家にただ「これ何?」とたずねるのではなく,自分の欲しい情報がとれそうな装置がないか調べてみませんか?

 


●講演1 :
エミリア派磔刑図の補彩プロジェクト
19世紀エミリアロマーニャ派の作品「キリスト磔刑図」の補彩
スライド、解説、補彩の実演.(逐次通訳 日⇔伊)
講師 ガブリエッラ・フォルクッチ
●講演2 :
使ってみたくなる分析

ユーザーの視点で最近の分析技術をわかりやすく紹介
EPMA を使ったエミリア派磔刑図クロスセクションの顔料分析の例

講師 福永 香
●講演日  :
2007年5月26日(土)
●講演時間 :
9:30(開場)10:00 -13:00*
●開催場所 :
ランビエンテ修復芸術学院*
〒192ー0902 東京都八王子市万町117ー6 
Tel. 0426-20-5250 Fax.0426-20-5230

●申し込み  :

こちらから (参加無料 定員になり次第閉め切ります)



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anno scolastico 2007-2008 Istituto L'AMBIENTE