絵画保存のためのワニスの選択とその使い方について、先ずいえることは、「これから保護しようとしている絵画フィルムに対して、科学ラボの適切な調査方法で、充分な注意深い溶剤検査を行わなければならない。」ということである。
この検査結果の基礎知識と物理科学の性質の有効な知識、および、使用可能な製品の種類と数の知識で、唯一どのニスが適しているかを決定することができるのである。
そしてそのニスは、どのように塗沫するのか?、修復しようとしている絵で一番優先しなければならない必要な事は何か? 正しい絵画の修復を行うには、歴史・美学的知識と充分に卓越した修復技術のほかに、総体的な科学技術の知識が必要になる。
修復のエキスパートたちは、本書のコンセプトと情報を実際の仕事に応用できることはいうまでもなく、これを基礎として新たに研究を始めることができる。
ヴィンチェンツォ・マッサは、ミラーノに本拠地を持つモンテカティーニ・グループSyremontの保存修復システムの責任者である。
ジョヴァンナ・G・シコローネは、科学技術修復科を卒業後、古典と現代の絵画作品の修復について教鞭をとっている。また、ICOMやCNRのための研究・実験を担当している。
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